☆脳血管障害の後遺症で障害年金を申請するとき
脳血管障害の後遺症は障害年金の対象となりますが、後遺症が出ている場所や種類によって、申請が可能となるタイミングや準備する診断書の種類が変わります。
今回は脳血管障害で障害年金を検討する場合に必要な情報についてまとめます。
脳血管障害と後遺症について
脳血管障害とは次のものがあります。
◆脳梗塞
◆脳出血
◆くも膜下出血
障害年金の対象となる主な後遺症は次の通りです。
・片方の手足が動かない、しびれる(片麻痺)
・ろれつが回らない、発声が不明瞭になる
・言葉が出ない、字を書く読むことができない、相手の話が理解できない
・高次脳機能障害により記憶ができない、集中力や注意力の低下がある、計画を立てたり遂行することができない、平衡感覚がなくなる、半側空間無視、抑うつ、意欲低下
・視野が欠ける、片目が見えなくなる
これ以外にも様々な症状があります。
使用する診断書は?
| 診断書の種類 | 症状 |
| 眼の障害用(様式第120号の1) | 視野が欠ける 片目が見えなくなる |
| 聴覚・鼻腔機能・平衡機能・そしゃく・嚥下機能・音声又は言語機能の障害用(様式第120号の2) | ろれつが回らない 発声が不明瞭になる 言葉が出ない 字を書くことができない 相手の話が理解できない |
| 肢体の障害用(様式第120号の3) | 片方の手足がうごかない、痺れる (片麻痺) |
| 精神の障害用(様式第120号の4) | 高次脳機能障害 集中力注意力の低下 計画を立てて遂行することができない 平衡感覚がなくなる 半側空間無視 抑うつ 意欲低下 |
これらは一例ですが、障害の状態に合わせて診断書を選ぶ必要があります。
申請が可能となるタイミング
脳血管障害による後遺症で申請が可能となるタイミングは、初診日と障害認定日で決まります。
初診日によって障害認定日が決定し、障害認定日から申請することができます。
初診日
脳血管障害の初診日は多くの場合、交通事故などで脳に外傷を受けて救急搬送された日、突然発症して受診した日となります。
またそれ以前に相当因果関係ありとされる傷病で受診していれば、その最初の受診日が初診日として認定されることがありますが、一見関係がありそうな次の傷病の場合は裁定上初診日として取り扱われないことが多いです。
・高血圧で受診したあとに脳出血や脳梗塞を発症したとき
・糖尿病で受診したあとに脳出血、脳梗塞を発症したとき
これらの場合、高血圧で初めて受診した日や糖尿病で初めて受診した日は、脳血管障害との相当因果関係なしと扱われる場合が多いため注意が必要です。
障害認定日
脳血管障害により肢体や視覚などに機能障害が残っているときは、原則として初診日から1年6ヶ月を経過した日以前であっても障害認定日として取り扱われます。
具体的には初診日から6ヶ月経過した日以降に、医学的観点から、それ以上の機能回復がほとんど望めず症状固定とされるときです。
症状固定と認められるかどうかは、リハビリ中である場合は機能回復を目的としたものか現状維持のためのものか、主治医が症状固定と考えているか、それが診断書にどう反映されるで判断されます。
また例えば片麻痺と高次脳機能障害の症状が出ている場合、片麻痺については1年6ヶ月経過する以前に症状固定だけれども、高次脳機能障害は症状固定と判断できず1年6ヶ月経過した日を認定日とするなど、後遺症の種類によって認定日に違いがでることがあります。(この場合はそれぞれの認定日で提出します)
症状固定と認定日については、障害年金請求を検討していることを伝えた上で主治医に十分確認しておく必要があります。
どの傷病についてもいえることですが、障害年金は個別に検討する事項が多く、一概にこの場合はこう!と言えない難しさがあります。
初診日や障害認定日についてはよく検討の上、申請が必要です。
複数の後遺症があるとき
脳血管障害では複数の障害が残ることが多く、その組み合わせも様々です。
例えば片麻痺で上肢と下肢に障害が出た場合、診断書は肢体の障害用一枚で足ります。
一方、片麻痺と視覚障害が残ったときは肢体の診断書と眼の障害用が必要となります。
しかし障害にあわせて全ての診断書を準備すればいいかというと、そうとも限りません。
障害年金は認定の対象となる障害が2つ以上ある場合、それらの障害を併合して障害の程度を認定するシステムがあります。
併合については「〇級×〇級=〇級」と一律してルールが決まっているわけではなく、障害の種類と程度の掛け合わせによって最終的な等級が決まります。
一例を挙げると、肢体2級の障害と、両眼の視力がそれぞれ0.06以下のものによる視覚障害3級の組み合わせでは併合1級相当となります。
一方、肢体2級の障害と、両眼の視力が0.1以下に減じたものによる視覚障害3級の組み合わせでは併合2級相当です。
自身の障害の状態を考慮してどの診断書の組み合わせで申請するか、または組み合わせても等級が変わらないようであれば一番症状が重く出ている障害のみで申請するかなど、十分な検討が必要となります。

