☆人工関節の障害年金は何級か
今回は人工関節と障害年金について解説します。
人工関節とは
人工関節とは病気や外傷で傷んだり変形した関節の代わりに使用する人工の関節です。人工関節になる原因の病気として主に次のようなものがあります。
◆変形性関節症(変形性膝関節症、変形性股関節症、変形性肩関節症)
◆大腿骨頭壊死
◆関節リウマチ
など
人工関節の認定基準
人工関節が1カ所以上そう入置換されている場合、原則として障害年金3級に認定されます。
また人工関節をそう入置換してもなお、一定以上の障害状態に該当し日常生活や就労に支障があるときには2級以上に認定される場合もあります。
人工関節による障害の程度は、肢体の障害認定基準に基づいて審査されます。以下、人工関節に関する部分の抜粋です。
第1 上肢の障害
『人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものについては、次により取り扱う。
一上肢の3大関節中1関節以上に人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものや両上肢の3大関節中1関節以上にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものは3級とする。
ただし、そう入置換してもなお、一上肢については「一上肢の用を全く廃したもの」程度以上に該当するとき、両上肢については「両上肢の機能に相当程度の障害を残すもの」程度以上に該当するときは、さらに上位等級に認定する。』
第2 下肢の障害
『人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものについては、次により取り扱う。
一下肢の3大関節中1関節以上に人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものや両下肢の3大関節中1関節以上にそれぞれ人工骨頭又は人工関節をそう入置換したものは3級とする。
ただし、そう入置換してもなお、一下肢については「一下肢の用を全く廃したもの」程度以上に該当するとき、両下肢については「両下肢の機能に相当程度の障害を残すもの」程度以上に該当するときは、さらに上位等級に認定する。』
障害年金を申請するタイミング
障害年金の申請は基本的に初診日から1年6ヶ月経過した日、もしくは治った(症状が固定した)日のどちらか早いほうが障害認定日となり、障害認定日時点から申請することができます。
さらに人工関節置換術を行った日を障害認定日とする特例があります。
例えば病気が急激に悪化し初診日から3ヶ月後に人工関節置換術を行った場合はその日が障害認定日となり申請が可能であり、1年6ヶ月を待つ必要はありません。
申請するときの注意点
人工関節で障害年金を申請するときの注意点は、初診日の加入制度を確認することです。
人工関節は3級に認定されますが、3級は障害厚生年金にしかない等級です。障害厚生年金に該当するためには、厚生年金加入期間に初診日がある必要があります。
初診日が国民年金加入期間であると障害基礎年金の対象です。障害基礎年金の等級は1級2級のみとなるため、人工関節にしてもなお一定以上の障害状態でなければ該当しないということになります。
申請する前には、初診日と加入制度を十分確認する必要があります。
身体障害者手帳との違い
| 身体障害者手帳 | 障害者手帳 | |
| 認定の条件 | 手術後の障害の状態を評価し、術後の経過が安定した時点での関節可動域などに応じて、4級、5級に該当すること | 人工骨頭または人工関節をそう入置換していること |
| 申請できる時期 | 手術日以降、術後の経過が安定した時点(一般的に6か月経過したころ) | 初診日から1年6ヶ月経過したとき、もしくは置換手術をした日のどちらか早いほう |
身体障害者手帳は人工関節をそう入置換後、一定の障害状態に達していることで交付されるのに対し、障害年金は人工関節をそう入置換したことによって傷病が治り、日常生活や就労が安定していても対象となります。
審査の結果身体障害者手帳が交付されなかった場合でも、障害年金では基本的に認定されます。

